過去のわたしを思い出して苦しくなったとき、今のわたしができること

過去のわたし、今のわたし

なにげなく見た風景。ふと耳にした言葉。
あるいは、誰かの話のなかに、
思いがけず“あの頃の自分”がよみがえることがあります。

時間が経ったはずなのに、
そのときの感情が、まるで昨日のことのように蘇ってきて、
心がぎゅっと苦しくなる。

「なんで今さら…」
「もう終わったことなのに…」

そう思いながらも、
過去の自分の痛みや後悔に、足元を引っ張られるような感覚。
きっと、誰にでも一度はあるのではないでしょうか。

でも、そんなときこそ、
「今のわたし」ができることがあるのだと思います。

本日は「過去のわたしを思い出して苦しくなったとき、今のわたしができること」というテーマで綴っていきます。

1. 感情を「否定しない」ことから始める

過去の記憶で苦しくなるとき、
私たちはよく、こんなふうに自分を責めてしまいます。

「まだ引きずってるなんて情けない」
「こんなことで落ち込むなんて、弱すぎる」

でも、思い出して苦しくなるほどの記憶は、
それだけ「そのとき一生懸命だった証拠」なのです。

今のあなたが、
その感情を覚えているのは、
当時のあなたが精一杯で、そして本気で生きていたからともいえます。

だから、まずは、
浮かび上がってきた感情を否定せず、
「そうだったね」「つらかったね」と、
そっと受け止めてあげることから始めてみましょう。

2. あの頃の自分に、あらためて声をかける

時間が経ってからこそ、
あの頃の自分に伝えられる言葉があります。

「無理しなくてよかったんだよ」
「ほんとうは、ずっとがんばっていたよね」
「逃げてもよかった、傷ついてもよかった」

過去のあなたを今の視点で見たとき、
その姿は、思った以上にいじらしく、いとおしく感じられるかもしれません。

今、あなたがそのときの自分に寄り添えるとしたら
それは、“癒し直し”が起きている証です。

もう過ぎたことだと思っていても、
心には“後から届くやさしさ”があるのだと思います。

3. 「今のわたし」ならどうする?を考えてみる

過去に戻ることはできません。
でも、“あのとき”とは違う視点で、
「今のわたしならどうしただろう?」と考えることはできます。

・自分を責め続けていた言葉を、やさしく言い換えてみる
・当時はできなかったけど、今なら選べる行動を想像してみる
・誰かに言われた傷つく言葉に対して、自分の本音を取り戻してみる

これは、過去をやり直すのではなく、
“今の自分が、過去の自分を救いにいく”行為なのかもしれません。

そしてそれは、今のあなた自身にも、
少しずつ力を取り戻させてくれるはずです。

4. 思い出すこと=後退ではない

過去を思い出すと、「また戻ってしまった」と感じるかもしれません。

でも実はそれは、
“進んできたからこそ見える景色”なのです。

登山の途中で、ふとふもとを見下ろすように。
階段をのぼって振り返ったときに、
「こんなに上がってきたんだな」と気づくように。

過去が急にあらわれたのは、
今のあなたがそこまで進んだからこそ。

だからこそ、
「今の自分なら、もう少しやさしくできる」
「違うふうに向き合えるかもしれない」
そんな可能性が、過去の記憶に添えられるのです。

5. 苦しくなったら、いったん「今」に戻ってくる

どうしてもつらさが強くなってしまったときは、
“今この瞬間”に意識を戻すことも大切です。

・目の前の風景を見る
・呼吸に意識を向ける
・手のひらを感じてみる
・好きな飲み物をゆっくり味わう

今ここにある五感の刺激が、
思考の渦から少しだけ、あなたを引き戻してくれます。

そしてその「今」を感じられたとき、
心のなかの波が、ほんの少しおさまるかもしれません。

まとめ

本日は「過去のわたしを思い出して苦しくなったとき、今のわたしができること」というテーマで綴ってみました。

この記事のポイントを振り返ります:

  • 感情を否定せず、まずは受け止める
  • あの頃の自分に、今の視点からやさしく声をかける
  • 「今の自分ならどうする?」と視点をずらす
  • 思い出すことは、進んできた証でもある
  • つらくなったら、意識を「今」に戻す工夫をする

時間がたっても、ふいに痛みが蘇ることがあります。
でもそれは、あなたがちゃんと生きてきた証拠です。

そして今のあなたには、
その痛みにそっと寄り添い、やわらげる力がきっとある。

過去は変えられなくても、
“過去との向き合い方”は、今のあなたが変えていけるものです。

つらい記憶が浮かんできたときは、
「もう忘れよう」と無理に封じ込めるのではなく、
「あの頃の自分を抱きしめるように見守ってあげる」ことも、
新たな一歩になるかもしれません。
過去は過ぎても、未来はまだ白紙です。

どうかやさしく、自分の歩みを抱きしめるような週末をお過ごしくださいね。

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