
「人に頼るのが苦手で…」と、仕事で出会う多くの女性から、そのような言葉を聞くことがあります。
そして、自分もまさにそのひとりだと、思い当たることがたくさんあります。
「お願いするくらいなら自分でやった方が早い」
「迷惑をかけたくない」
「人に甘えるのはちょっと…」
そんな思いが当たり前になっていたのは、ずっと前からです。
けれど、ひとりでがんばりすぎて、
気づかないうちに疲れ果ててしまった日も、正直ありました。
本日は、「“ひとりでがんばる癖”を手放して。助けを求められるようになるまで」
というテーマで、少しだけ昔の自分をふり返りながら綴っていきます。
「迷惑をかけてはいけない」が、ずっと心の中にあった
人に頼るのが苦手になった原点をたどってみると、
きっと子ども時代の環境が大きかったのだと思います。
わたしは三人兄弟の末っ子で、上に兄と姉がいます。
両親は放任主義で、「自分のことは自分でやりなさい」と自由にさせてくれていました。
いま思えば、その自由は「信頼」の裏返しでもあったのでしょう。
でも、少しだけ寂しかったのも本音です。
甘えたい時もあったけれど、どう甘えていいか分からなかった。
何でも自分でできる子になっていくうちに、
「ひとりで何とかするのが当然」になっていました。
ひとりでがんばるのが“癖”になっていた
社会人になってからも、その“ひとりぐせ”は変わりませんでした。
仕事でもプライベートでも、頼ることが苦手。
忙しいときほど、「大丈夫」「大丈夫」と自分に言い聞かせて、
限界ギリギリまで何とか乗り切ろうとしてしまう。
以前、体調を崩していたのに無理して仕事をしていたことがありました。
助けを求めたら迷惑をかけてしまう気がして、
誰にも言えなかったのです。
本当は「ちょっとしんどい」「助けてほしい」と言えたら、
もう少し楽だったのかもしれません。
でもその頃のわたしは、
「弱音を吐いたら負け」だと、どこかで思っていたのです。
その裏側には、「弱く見られたくない」という思いもありました。
できる人だと思われたい、迷惑をかけたくない、
…でも本当は、ただ「どう頼ったらいいか分からない」だけだったのかもしれません。
「わたしはひとりで大丈夫」って、
強がることで、自分の存在価値を守ろうとしていたのかもしれない
そう気づいたのは、ずっとあとのことでした。
「頼っていいんだよ」と言ってくれた、たった一人のひとこと

そんなわたしに、大きな変化があったのは、ある人のひとことがきっかけでした。
ある日、信頼している友人にこう言われたのです。
「どうして何も言ってくれなかったの?心配してたんだよ」
「だって、迷惑かけたくなかったから」と返すと、
彼女は静かに、こう言いました。
「わたし、あなたに頼ってもらえたら、うれしいんだけどな」
その言葉を聞いたとき、
ああ、わたしは「頼ること=迷惑」と思い込んでいたけど、
そうじゃないんだ、と初めて気づいたのです。
小さな「お願い」から始めてみた
とはいえ、長年の“ひとりぐせ”は、すぐには抜けません。
それでも、少しずつ変わっていきたくて、
まずは小さな「お願い」から始めてみることにしました。
「これ、ちょっと手伝ってくれる?」
「時間があるときでいいから、話を聞いてもらえる?」
そんなふうに、ささやかだけど素直な気持ちを伝えてみたら、
想像以上に、やさしい反応が返ってきたのです。
“頼ることは、相手を信じること”――
そう思えるようになったとき、
わたしの心は少しだけ軽くなっていました。
今、ひとりでがんばっている誰かへ

「人に頼ること」は、弱さではありません。
むしろ、自分を大切にするための、大事な手段だと今は思います。
最近では、「相談してくれてうれしい」と言ってもらえることも増えました。
わたし自身も、誰かに頼られると、
「必要とされている」とあたたかい気持ちになります。
頼るって、勇気のいることです。
とくに今までそれを避けてきた人にとっては、
小さな「助けて」の一言が、
ものすごくハードルの高いことに感じられるかもしれません。
でも、何もかもを抱え込まなくていいんです。
たとえば、ちょっとした愚痴をこぼすこと、
少し疲れたと伝えることも“頼る”のひとつ。
わたしたちには、「支えあえる力」もちゃんと備わっている。
そう信じられるようになったら、世界が少しあたたかく見えました。
誰かの助けを借りていい。
甘えることも、迷惑ではなく、信頼のかたちです。
わたしたちはひとりで生きているようで、
実はたくさんの“つながり”の中で、生かされているのかもしれません。
まとめ
本日は「“ひとりでがんばる癖”を手放して。助けを求められるようになるまで」
というテーマで綴ってみました。
この記事のポイントを振り返ります:
- 放任主義の家庭で育ち、ひとりでできることが“普通”になっていた
- 人に頼ること=甘え、迷惑と誤解していた過去
- 信頼できる人のひとことで、「頼ること」への見方が変わった
- 小さなお願いから始めることで、世界が少しずつ優しくなった
- “頼ること”は、つながりと信頼を育てるあたたかな行為
ひとりでがんばりすぎているあなたへ。
ほんの少しだけ、人に気持ちをゆだねてみませんか。