まだ夏の盛りにいるはずなのに、ふと吹いた風の中に、秋の気配を感じる瞬間があります。
ほんの少しだけ空が高く見えたり、
夜の虫の声が増えていたり、蝉の鳴き声にかすかな寂しさを感じたり。
季節が静かに移ろうこの時期は、自分の気持ちや心の動きも、ゆっくりと揺れやすいときです。
だからこそ、そんな節目にこそ、自分と向き合う小さな時間をつくってみませんか？
それは大げさな内省や、重たい振り返りではなく、
「いまの自分」にやさしく問いかけるような時間です。
問いかけは、心の深呼吸のようなものです。
吸って吐いて、ふとした拍子に自分の“今”と出会い直す。
そんな感覚で、自分にやさしい時間を贈ってみてください。
本日は、「季節が変わる前に、自分を一歩好きになる問いかけ」というテーマで綴っていきます。
「最近、何に癒された？」
好きなアイスクリームを食べたこと。
夕暮れに染まる雲を見たときの静けさ。
些細なことでも、それを「癒し」として受け取れた自分を、まずは肯定してみましょう。
自分が何に心をゆるめるのかを知ることは、自分を大切にする第一歩です。
「癒し」があるということは、日々の中で、ちゃんと自分に意識を向けている証でもあります。
“癒されたこと”をひとつでも見つけられるということは、
心のセンサーがちゃんと働いているということ。
忙しさの中にも、自分の感情に触れる余白があるということです。
「ちゃんと疲れてる？」
忙しい毎日の中で、「まだがんばれる」「大丈夫」と言い聞かせているうちに、心や身体の悲鳴を見過ごしていないでしょうか？
「疲れている」と認めることは、弱さではなく、正直さです。
休むことを後回しにせず、少し立ち止まって「がんばりすぎてない？」と問いかけてみてください。
その問いかけが、これから先の「続ける力」をやさしく育ててくれます。
ときには、「疲れた」「もう限界かも」と言える自分を、認めることから始めてみてもいいのです。
まっすぐな気持ちで“疲れた”と伝えられるのは、ちゃんと自分を見ている証拠でもあります。
「最近、がんばったことって？」
自分に問いかけるとき、多くの人は「足りないこと」「できなかったこと」に目が向きがちです。
でも、思い出してみてください。
・苦手な人とちゃんと会話したこと
・暑い中で買い出しに行ったこと
・気乗りしないタスクを済ませたこと
それだけでも、じゅうぶん「がんばったこと」です。
自分にとっての“小さなチャレンジ”を、見逃さないこと。
それは、自分を好きになるための、静かな勇気の積み重ねです。
「こんなことで？」と思うようなことでも、あなたにとって大変だったなら、それは立派な成果です。
小さな「よくやったね」を積み重ねていくと、自分の存在が、少しずつ信頼できるようになります。
「誰かのやさしさに、気づけた？」
この問いかけは、日々の出来事に“温度”を与えてくれます。
たとえば——
・レジで笑顔を向けてくれた店員さん
・水を持ってきてくれた家族
・無言でそばにいてくれた友人
大きな助けではなくても、「やさしさ」に気づけた自分がいたこと。
それに気づく感性があるというだけで、あなたは人とのつながりをちゃんと大切にしている人です。
自分のやわらかい一面を知ることは、自分をもっと愛おしく感じられるきっかけになります。
やさしさに気づける自分は、誰かにやさしくなれる余白を持っている人。
自分の内側にある「やわらかさ」を、大切にしていきましょう。
「今の自分に、ありがとうって言える？」
忙しさに追われる日々のなかで、私たちはつい「もっと○○できたはず」と、自分を責める方向に思考が向かってしまいがちです。
でも、ふと立ち止まって、こんなふうに声をかけてみてください。
「今日まで、ちゃんと生きてきてくれてありがとう」
完璧じゃなくてもいい。
どんな自分にも、その日その時を乗り越えてきた記録があります。
それを知っているのは、誰よりもあなた自身です。
少し照れくさいけれど、「ありがとう」は、どんな言葉よりも深く、自分を肯定してくれる魔法です。
「ありがとう」と口に出した瞬間、体が少し緩むような感じがしたら、それはきっと、あなたの心が少しだけ安心している証です。
「次の季節、どんな気分で迎えたい？」
自分を少し好きになったら、次は「未来の自分」にも問いかけてみましょう。
・秋には、静かな楽しみを増やしたい
・涼しくなったら、外に出て自然に触れたい
・読書の時間をふやしたい
どんな答えでもOKです。
未来の自分を、ちょっと楽しみにできる。
それだけで、今の自分もすこし軽くなります。
目の前の生活に追われがちな毎日だからこそ、 こうした“未来の気分”をイメージすることは、心の柔軟さやしなやかさを育てる時間にもなるのです。
そして、この問いには正解も不正解もありません。
「こうなりたい」ではなく、「こんなふうに感じたい」でいいのです。
まとめ
本日は「季節が変わる前に、自分を一歩好きになる問いかけ」というテーマで綴ってみました。
- 「何に癒された？」で、自分の感性を知る
- 「ちゃんと疲れてる？」で、自分の限界にやさしく気づく
- 「がんばったことは？」で、小さな努力を認める
- 「やさしさに気づけた？」で、自分の感受性を育てる
- 「ありがとうって言える？」で、自分への信頼を深める
- 「どんな気分で季節を迎えたい？」で、未来への一歩を描く
問いかけは、自分を追い詰めるためではなく、やさしくほどくためのもの。
季節の変わり目に、ふとした心の澱（おり）を流すように。 あなた自身にやわらかく問いかけて、自分を一歩、好きになれるきっかけとなりますように。
