いちばん素直なわたしに戻れる場所~海とわたしの記憶~

わたしのこと

今日は「海の日」ですね。
朝からふと、子供の頃見ていた海のことを思い出していました。

幼いころ、海はすぐそばにありました。
特別なものではなかったけれど、
何かあるたびに足を運びたくなる、そんな存在でした。

泳いだりはあまりしなかったけれど、
波の音や、遠くの水平線を眺めているだけで、不思議と心が落ち着いたものです。

本日は、「いちばん素直なわたしに戻れる場所――海とわたしの記憶」
というテーマで綴っていきます。

幼い頃に育った“日本海の海”とわたし

わたしが育ったのは、日本海側の町でした。
海は、冬になると荒々しく、風は冷たくて、
決して穏やかで優しいイメージばかりではありませんでした。

だからこそ、自然の厳しさや大きさに触れられる場所として、
海は子どもながらに、どこか畏れを抱くような存在でもありました。

それでも、よく行っていたのです。
なにかあった日、心がざわついた日、
理由はなくても、ただ海に足が向くことがありました。

夕日を見に行く時間が好きだった

海といえば、思い出すのは夕日です。
日が沈むころ、海岸まで歩いて行って、波の音を聞きながら夕日を眺める。

その時間が、とても好きでした。

海に沈む夕日は、毎日違って、
雲の色や光の角度によって、まるで絵画のように変わって見えました。

誰かと一緒のときも、ひとりのときも、
その時間には、言葉はいりませんでした。
ただ「見る」「感じる」。それだけで、十分だったのです。

泳ぐよりも、ただ“眺める”ことに惹かれた

海は、遊ぶ場所ではなく、感じる場所。
わたしにとって、そういう存在でした。

友だちが波打ち際で走ったり、貝を拾ったりしている中、
わたしは少し離れて、波の動きや空の色をぼんやり眺めていることが多かったです。

あの頃はまだ、「心が整う」とか「自分とつながる」なんて言葉を知らなかったけれど、
その静かな時間が、どれほど自分にとって必要だったかを、大人になって気づきました。

大人になって、癒しとしての“海”を再発見した

あの頃の海から、今は遠く離れて暮らしています。
けれど、大人になってから、旅先や出張先で海に出会うたびに思います。

「やっぱり、わたしはこの景色が好きだな」と。

慌ただしい日々の中で、ふと目の前に広がる海を見ると、
自然と呼吸が深くなって、余計な考えがほどけていくような感覚があります。

子どもの頃にただ“眺めていた”あの時間が、
どれほど心の土台をつくってくれていたか。
それを再確認するような瞬間でもあります。

波の満ち引きと、海の塩がくれる浄化

波が満ちて、引いて、また満ちて。
そのリズムは、どこか心の動きと似ている気がします。

「焦らなくても、自然に流れていく」
そんな安心感を、海はそっと教えてくれます。

また、大人になってから知ったのですが、
海の塩には“浄化作用”があるといわれているそうです。

昔は知らずに足をつけていたけれど、
もしかしたらあのときから、すでに癒されていたのかもしれません。

“海に行く”というより、“海に還る”ような気持ち。
そんな感覚が、今でも心に残っています。

今は遠くにいても、“海の感覚”は取り戻せる

今住んでいる場所から、海までは遠く、
気軽に見に行くことはできません。

でも、そんなときこそ、思い出すのです。
海の匂い、風の音、夕日の光、足に触れた波の冷たさ。
五感の中に刻まれた“海の記憶”を、静かに呼び起こして。

波の音を流す、塩の入浴剤を使う、海の写真を飾る――
そんな小さな工夫だけでも、
少しずつ、自分のリズムが戻ってくるような気がします。

また、自分のなかの“自然とつながる感覚”を信じてみることも大切です。
忙しさの中で見失いがちな静けさは、
ほんの数分間、空を見上げることや、湯船につかることでも取り戻せます。

海に行けなくても、自然の癒しのリズムは、
私たちの内側にもきちんと流れているのかもしれません。

まとめ

本日は「いちばん素直なわたしに戻れる場所――海とわたしの記憶」というテーマで綴ってみました。

この記事のポイントを振り返ります:

  • 日本海の海は、厳しくも心が静かになる存在だった
  • 泳ぐより、夕日や波を“眺める”ことに安心感があった
  • 忙しい日々の中で、ふと海に癒される瞬間があった
  • 波の満ち引きと塩の力が、無意識に心をととのえてくれた
  • 海が遠い今でも、五感を使って“海の感覚”に戻ることができる
  • 自分の中の“自然とのつながり”を信じることで、心がやわらぐ瞬間がある

遠く離れていても、心のなかにはいつだって“海への道”があります。
疲れたとき、ちょっとだけ自分を取り戻したいとき。
そっとその道をたどってみると、懐かしい波音が聞こえてくるかもしれません。

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