
ふと空を見上げると、夕焼けがいつの間にか長くなっていることに気づきます。
6月の終わり。明日6月21日は、一年でいちばん昼が長い「夏至」です。
けれどそれを感じるゆとりもないまま、ただ一日をこなして終わってしまう
──そんな日も、きっとあるはずです。
とくに何か大きなことが起きたわけでもないのに、
なぜか毎日が早足で過ぎていくような気がしませんか?
「忙しい」という感覚に慣れすぎて、少し立ち止まることさえも“もったいない”と思ってしまうときもありますよね。
でも、だからこそ。
今日という夏至の“前の日”に、たった1分でもいい、
自分自身に「こころの余白」をつくる時間があるとしたらどうでしょう。
それは、何かを頑張るのではなく、ほんの少し「ほどく」ような
気持ちを整えるというより、ちょっと立ち止まって、深呼吸するだけの時間です。
今日は、そんな“ひとさじの時間”を、3つだけご提案します。
忙しいあなたにこそ、届けたい小さな提案です。
良かったら、是非取り組んでみてくださいね。
① 1分間、目を閉じて、「いまの空気」を感じてみる

夜、家に帰ってきたら、電気をつける前の部屋で、1分だけ目を閉じてみてください。
音や気配、風や空気の温度……そうしたものが、
忙しさにかき消されていた「自分の今」を教えてくれます。
呼吸を整えようとしなくていいし、なにか思考を止めようとしなくていい。
ただ「今の自分って、こういう感じなんだなあ」と、
そっと眺めてみるだけでじゅうぶんです。
たとえば夜のベランダや窓辺で、風の音や遠くの車の音を聞いてみるのもいいですね。
音のない時間ではなく、音の「向こう」にある自分の感覚に気づいていく。
それが、目を閉じる1分間の魔法です。
この“1分の目を閉じる時間”は、思っている以上に心と身体に効きます。
明日からまた走り続ける自分に、小さな「余白」を渡してあげましょう。
② スマホを1分だけ置いて、お茶か水を飲む
私たちが一日にスマホを見る回数は、平均で100回を超えるとも言われています。
でも、ほんの1分だけでいいので
画面を伏せて、あたたかいお茶か、冷たいお水を飲む時間を取ってみてください。
これは、たった1分でできる「自分にやさしくする行為」です。
お茶の香りを感じながら、
「わたし、今日も一日がんばってたな」
そんなふうに、ほんの一言、心のなかで自分に言ってみてもいいかもしれません。
この“飲む”という行為は、自然と呼吸も深くなり、交感神経の高ぶりを和らげてくれます。
「ただお茶を飲むだけ」と思わずに、心と体をリセットするひとつの習慣として、大切にしてみてください。
③ 「いま、自分に必要な言葉ってなんだろう」と問いかける
最後に、ひとつの問いを自分に投げかけてみましょう。
「いま、自分に必要な言葉って、なんだろう?」
これは、自己啓発のように前向きな言葉を探すためのものではなく、
“ほんとうの気持ち”に気づくための問いかけです。
たとえば、こんな言葉が心に浮かぶかもしれません。
- 「ちょっと疲れたな」
- 「助けてほしいって思ってる」
- 「なにも考えたくない」
- 「でも、明日の朝はやさしく迎えたいな」
私自身が、今一番最初に浮かんだ言葉は
「本当によく頑張っているよ!!」でした。
どんな言葉でも構いません。正解なんてないのです。
その言葉が、今のあなたをちゃんと見ているというサインです。
こうした内なる言葉に気づけること自体が、自分との信頼を深めていく一歩なのだと思います。
「わかってるよ」「気づいてるよ」——そんな静かな対話を、自分自身と交わす時間です。
もし余裕があれば、その言葉を手帳やスマホにメモしておくと、
後から読み返したとき、「あのときの自分は、こんなことを感じていたんだな」と、
自分自身をより深く理解できるようになります。
まとめ

明日は「夏至」。
太陽が一年でいちばん長く、空にいる日です。
忙しい日々のなかで、それをゆっくり感じることは難しいかもしれません。
夏至は、太陽の時間が極まる日。
でもその光を受け取るには、心にも“受け皿”が必要です。
今日の夜、その受け皿をそっと整える時間が持てたなら、それで十分です。
今日という「前夜」に、自分のために“こころの余白”をつくる時間を持つことは、
明日の自分の感じ方を、ほんのすこし変えてくれるかもしれません。
今日ご提案したのは、どれも1分でできる、小さな時間です
- 目を閉じて、いまの空気を感じる
- スマホを置いて、お茶か水を飲む
- 自分に必要な言葉を、そっと問いかける
この3つのうち、どれかひとつでもいい。
ほんの少しだけでも、「自分を見つける」時間になりますように。
どうか、今日という一日が、あなたにとって穏やかな締めくくりになりますように。
そして明日、夏至のひかりが、あなたの心にもやさしく届きますように。