気持ちが不安定な人との関わりで、心をすり減らさないために~やさしくありたい人ほど疲れてしまうあなたへ~

こころのこと

身近に「少ししんどそうな様子の人」がいるとき。
優しくしたい、寄り添いたい、と思っても、
その言動に心がざわついたり、傷ついたり、気力を持っていかれてしまうこともあります。

怒りっぽかったり、否定的だったり、
感情の波にふりまわされて、
「言いたいことがあるのに、我慢してばかり」なんて日もあるかもしれません。

「わかってあげたい。でも、疲れる。」
そんなとき、自分の心を守るにはどうすればいいのでしょうか?

本日は「気持ちが不安定な人との関わりで、心をすり減らさないために」というテーマで綴っていきます。

“助けたい気持ち”があるからこそ、苦しくなる

家族やパートナー、職場の人など、
距離が近い人ほど、「支えなきゃ」「わかってあげなきゃ」という気持ちが生まれます。

けれどその気持ちは、
ときに「わたしさえ我慢すれば」「ここで怒ったらいけない」と、
自分の感情を後回しにする原因になることもありますよね。

気づけば、日常のちょっとした会話でも緊張していたり、
相手の機嫌をうかがうことが習慣になってしまっているかもしれません。

「気をつかうこと」と「気をすり減らすこと」は、ちがうのです。

相手を思う優しさが、自分をすり減らす苦しさに変わってしまう前に、
“どちらも大切にする”視点を思い出してみてください。

“話を聞く”と“すべて抱える”は別もの

誰かの気持ちに寄り添うことと、
その人のすべてを引き受けることは、まったくの別ものです。

たとえば、こんな経験はないでしょうか。

「もう疲れた」「全部イヤになる」と何度もこぼす友人の話を
真剣に聞いているうちに、こちらの気分まで落ち込んでしまったり、
「あなたはいいよね」と言われ、どう返せばいいのか困ってしまったり。

そんなときは、「大丈夫だよ」と無理に励ますより、
「そうだったんだね」「つらかったね」と、
気持ちに一言そっと添えるだけで充分なこともあります。

すべてに答えを出そうとしなくていい。
その姿勢が、自分も相手も追い込まない、やさしい距離感を保ってくれます。

“距離を取ること”は冷たさではなく、自分を守る選択

距離をとる、という言葉に罪悪感を抱く人も多いかもしれません。
「放っておいたら悪化してしまうかも」
「自分が見捨てたと思われたらどうしよう」

でも、距離をとるのは「冷たさ」ではありません。
むしろ、それがなければ、自分も一緒に沈んでしまうことがあります。

たとえば、LINEの返信を少し遅らせるだけでも、
心の余白が戻ってくることがあります。
長電話を避ける日をつくる。返信の内容も一言だけにしてみる。
そういった小さな調整でも、ぐっと呼吸がしやすくなるのです。

相手を大切にしたいからこそ、
自分をすり減らさない工夫が必要なのだと思います。

“ちゃんと向き合ってる自分”を忘れないで

疲れを感じるのは、きっとそれだけ真剣に向き合っている証。
無関心なら、しんどくなったりはしません。

けれど、真剣すぎるほど向き合って、
すべてを「自分のせいかも」と抱え込みすぎてはいませんか。

大切なのは、「わたし、十分がんばってる」と自分で認めてあげること。
無理して関わり続けることではなく、
自分の気持ちに“ちゃんと目を向けてあげること”です。

ときには、「もう今日は無理」と思ってもいい。
そんなふうに、自分にやさしくあることも、関係を長く続けるコツかもしれません。

“専門家に委ねる”という、もうひとつの選択肢

気持ちが不安定な人との関わりは、
ときにプロの手が必要なケースもあります。

それは決して「投げ出す」ことではなく、
「大切にしているからこそ、正しい方法に委ねる」という判断でもあります。

地域の相談窓口、カウンセリング、医療機関など、
自分ではどうにもできないところは、第三者に頼る選択肢も持っておきましょう。

大事なのは、誰かのために頑張りすぎて、
あなた自身の心の健康が損なわれてしまわないこと。

まとめ

本日は「気持ちが不安定な人との関わりで、心をすり減らさないために」というテーマで綴ってみました。

📝この記事のポイントを振り返ります:

  • 助けたい気持ちが強いほど、自分を後回しにしてしまいやすい
  • 話を聞くこと=すべて受け入れること、ではない
  • 距離をとるのは冷たさではなく、自分を守るやさしさ
  • 「がんばっている自分」にも目を向けて
  • 専門家に委ねることも、愛ある選択のひとつ

どれだけやさしくありたいと願っても、
自分の心がすり減ってしまっては、本当のやさしさは続きません。

だからこそ――
大切な人を思うように、自分のことも、ていねいに思ってあげてくださいね。

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