『Experience is the best teacher』~経験は最高の教師である~

ことばの贈りもの

子どもの頃、私はよく夢を描いていました。
世界を舞台に、自由に旅をしながら英語で人とつながり、
国や文化を越えて活躍する――

そんな“カッコいい大人”になることが、私の憧れでした。

その夢のひとつが、
英語圏の大学に通って学生生活を楽しむこと
というものがありました。
映画で見るようなキャンパスライフに胸をときめかせながらも
誰にもそのことは言えず、いつか必ず実現しよう!!と、密かに心に決めていました。

でも、いつの間にか現実に流され
忙しさや不安、そして何より「自分には無理かもしれない」という気持ち――
そんな思いが少しずつ私の心を覆い、
気がつけば「学ぶこと」も「夢に向かって動くこと」も、後回しにしていました。

「もう無理だよね」
「そんなの、若いうちにやるものだし……」

そうやって自分に言い聞かせて、夢にフタをしてきたのです。

でも本当は――
心の奥に眠っていた“夢のかけら”は、ずっと消えてはいませんでした。
むしろ、忘れようとしていたはずのその思いは、
旅番組を観たときや、映画を観ている時
街で外国語が聞こえてきたときなど、
「英語が話せたらなあ」と誰かがつぶやいたとき……

ふとした瞬間に、何度も何度も胸の奥から湧き上がってきたのです。

そしてあるとき、ふと思いました。
「全部じゃなくてもいい。できるところから、始めてみよう」

そうして、私は思い切って、チャレンジすることにしたのです。

それは、子供の頃の夢には程遠い
たった3週間の語学留学――


けれど、それは私にとって、あの頃の夢にもう一度触れるための、大きな大きな一歩でした。

本日は、その時の経験で、先生から贈られた言葉で、気づいたこと、私の人生を動かしたことなどに空いて綴っていきたいと思います。

言葉の壁と、心の壁

私が留学先に選んだのは、フィリピン・セブ島でした。

欧米の大学に行く前の準備として、まずは英語だけに集中できる環境で
一歩踏み出したかったのです。

現地の語学学校には、日本人の学生も多く
他にもベトナムや台湾、中国などアジア各国から
たくさんの若者たちが学びに来ていました。

年齢的には、私よりもずっと若い人たちが多く、
学生や社会人1〜2年目という人もたくさんいて、
正直、はじめは少し肩身が狭いような気持ちもありました。

それでも、彼らのまっすぐな姿勢や、夢に向かって努力する姿に
自然と刺激を受け、「自分も頑張ろう」と思えるようになっていきました。

滞在期間は3週間
私にとっては精一杯の挑戦でしたが、
現地で出会った多くの学生たちは、3ヶ月から半年、長い人では1年という単位で、
しっかりと腰を据えて学びに来ていたのです。

中には、このセブ島での語学学習を足がかりにして、
オーストラリアやカナダ、イギリスなどに渡って、
さらに語学力を磨いたり、現地の大学へ進学する計画を立てている人もいました。

「ここは、夢の入り口なんだ」
そう気づいたとき、私は少し悔しくもあり、
それと同時に、心からワクワクしている自分にも気づいたのです。

言葉がうまく通じず悔しい思いをしたり、
授業についていけない日もありました。

それでも、クラスメイトとの会話の中で笑い合ったり、
先生のジョークに思わず吹き出してしまったり……
言葉以上に、心で通じ合える瞬間が、確かにそこにはありました。

そして何より、ある先生からのあのひと言が、
私の考え方を大きく変えてくれたのです。

“Don’t be afraid of mistakes. Experience is the best teacher.”

「間違いを恐れないで。経験こそが、最高の先生なんだよ」

の言葉を聞いた瞬間、胸の奥がじんと熱くなりました。
私は、“完璧にやること”ばかりを目指していました。

でも、それよりも大切なのは、“やってみること”だったのだと、
そのとき初めて、腑に落ちたのです。

体験が私に教えてくれたこと

それからの私は、間違いや失敗を恐れず、とにかく行動してみるようにしました。

つたない英語でも勇気を出して話しかけてみる。
聞き取れなかったら、もう一度聞き返してみる。
言葉が通じたときの嬉しさは、何事にも代えがたい喜びでした。

その3週間の中で、私は自分の中に眠っていた「好奇心」や「行動力」が
少しずつ目を覚ましていくのを感じました。
そしてなにより――
「経験こそが、最高の学びである」ということを、身をもって体験したのです。

ことばの贈り物

「Experience is the best teacher.」
この言葉は、あのときの先生から私がもらった、人生のギフトです。

それ以来、私は「うまくやること」より「まずやってみること」を大切にするようになりました。

失敗してもいい。
遠回りしてもいい。
経験したことすべてが、未来の自分の力になる――

そう信じられるようになったのです。

夢が遠く感じるとき、何かを始めるのが怖くなるとき、
私はこの言葉を何度も思い出します。

“Experience is the best teacher.” ~経験は最高の教師である~

たったひと言だけど、
行動すること、感じること、挑戦することの価値を教えてくれる、
私にとっての“ことばの贈り物”です。

おわりに

たった3週間でも、私は人生の中でとても大切なことを学びました。
そして今も、自分なりのペースで、夢に向かって歩き続けています。

  • 私の子どもの頃の夢は、世界を舞台に活躍すること、英語圏の大学で学ぶことだったけれど、現実の生活で、いつしか学ぶことを諦め、夢から遠ざかっていました。
  • それでも心の奥には夢のかけらが消えず、何度も湧き上がってきたことで、たった3週間ではあったけれど、セブ島留学で、私よりも若い年代で多国籍の学生たちと出会い、物凄い刺激を受けたました。
  • 留学中、先生からの「Experience is the best teacher」という言葉に背中を押さ、間違いを恐れず、まず行動することの大切さを実感したのです。経験は、単なる学び以上に自分を成長させる最高の先生であるということを。

もし、あなたの心の奥にも“眠っている夢”があるなら、
どうかその小さな声を、見過ごさないでください。

できることからでいい。小さな一歩でいい。
行動してみることでしか得られない「学び」と「出会い」が、きっと待っています。

そしてそれが、あなたの人生に、きっとあたたかい変化をもたらしてくれます。

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