
暦の上では、もう「立秋」ですね。
まだまだ日差しは強く、気温も真夏のようですが、風の匂いや夕暮れの色合いに、ほんの少しだけ秋の気配が混じり始めます。
この時期は「暑さのピークを乗り越える時期」であると同時に、
「季節の橋渡し」を意識できる時期です。
体調も暮らしも、夏から秋へのやさしい移行を意識することで、心身がぐっと整いやすくなります。
立秋は、二十四節気のひとつで
「暑さが極まり、秋の気配が立ち始める頃」を意味します。
農村では稲の穂が実り始め、里山ではススキの穂が揺れ始めます。
都会にいても、ほんの少し耳を澄ませると、虫の声や空の高さの変化に気づくことができます。
本日は「立秋からの『秋じたく』―暮らしの中で季節を感じる知恵」というテーマで綴っていきます。
朝夕の風を感じる時間をつくる
立秋を過ぎると、朝夕の空気がほんの少し柔らかくなります。
夜明けの風は、真夏の熱気が和らぎ、どこか透明感を帯びてきます。
忙しい朝も、窓を開けて深呼吸するだけで、体と心に季節のスイッチが入りますね。
さらに、外に出て草木の匂いを感じたり、道端の影の長さを観察したりすると、変化がより鮮明になります。
夕方には、少し早めに家路につき、夕焼けの空や虫の声を味わうのもおすすめです。
ヒグラシやコオロギの声は、季節の変わり目を感じさせてくれる自然のBGM。
風に乗ってくる匂いが、日中とは違うことにも気づくでしょう。
食卓に秋の食材を少しずつ

まだ夏野菜が主役ですが、この時期から秋の味覚が少しずつ市場に並びます。
ぶどうや梨、無花果(いちじく)、早生のりんごなど、旬の果物を食後のデザートに添えるだけで、食卓の空気が変わります。
料理も、冷たいそうめんやサラダだけでなく、秋を意識した温かい汁物や炊き込みご飯を少しずつ取り入れてみましょう。
例えば、きのこと油揚げの味噌汁、さつまいもご飯、秋なすの煮びたしなどは、体を冷やしすぎず、夏の疲れを癒してくれます。
この時期におすすめなのが「半夏生(はんげしょう)」の知恵を応用すること。
半夏生は本来6月末〜7月初めの行事食ですが、「季節の節目に滋養のある食べ物を食べて体を整える」という考え方は、立秋にも通じます。
暮らしの色を少し深める
インテリアや服の色味も、秋じたくの大切な要素です。
夏は白やブルー、ミントグリーンなど軽やかな色が多かった方も、クッションカバーやテーブルクロスをベージュやマスタード、ボルドーなどに替えるだけで、空間に落ち着きが生まれます。
ファッションも、薄手で通気性の良い素材を選びつつ、色味を深めて秋らしさを演出。
たとえば、リネンシャツにブラウンのベルトを合わせる、シルバーアクセサリーをゴールドに変えるなど、小さな変化が季節感を演出します。
衣替えを一気にせず、「1〜2アイテムずつ」秋色を取り入れるのもポイントです。
体を「温める時間」を意識する
残暑の時期は、冷房や冷たい飲み物で体が冷えやすくなっています。
立秋からは、お風呂で湯船に浸かる日を少しずつ増やすのがおすすめです。
ぬるめ(38〜40℃)のお湯に15分ほど浸かると、副交感神経が優位になり、夏の疲れがゆるみます。
さらに、入浴後に白湯を飲むことで、内側からも温まり、胃腸の働きが回復します。
昼間でもエアコンで体が冷えていると感じたら、足首を温めるだけでも効果的。
レッグウォーマーや軽いブランケットを活用し、冷えを溜め込まない工夫をしましょう。
心の中でも「秋の予定」を描く
秋は、学びや趣味を始めるのにぴったりな季節です。
立秋を機に、「この秋やってみたいこと」を3つほど書き出してみましょう。
・行きたかった美術館に足を運ぶ
・秋の味覚を使った料理に挑戦する
・紅葉の時期に合わせて小旅行を計画する
こうした未来の計画は、毎日に張り合いを与えてくれます。
目標は大きくなくてもOKです。
「お月見団子を作る」「秋の花を一輪飾る」など、小さな行動からで十分です。
自然の中で季節の変化を探す

週末や休日には、公園や神社、川辺などを歩いてみましょう。
夏草の中に混じるススキの穂、赤く色づき始めた葉、虫の声の変化など、小さなサインが見つかるはずです。
写真を撮っておくと、数週間後に見返したとき、季節の進み方が一目で分かり、自然とのつながりを感じられます。
自然観察は心のリセットにもつながります。
都会に住んでいても、夕焼けや雲の形、夜空の星の数に目を向けるだけで、季節の移ろいを感じられます。
まとめ
本日は「立秋からの『秋じたく』―暮らしの中で季節を感じる知恵」というテーマで綴ってみました。
- 朝夕の風を感じ、五感で季節を味わう
- 食卓に秋の食材を少しずつ取り入れる
- 暮らしや服の色を深めて秋らしさを演出
- 体を温める習慣で夏の疲れを癒す
- 秋にやりたいことを考え、心も季節を先取り
- 自然の中で小さな季節の変化を探す
立秋は、残暑と初秋が混ざり合う特別な時期です。
日々の中に小さな変化を取り入れて、心身ともに秋を迎える準備をしていきましょう。